代表あいさつ
2011年6月28日、私は心臓カテーテル室にいました。医療機器販売会社に勤めていた私はその日、循環器内科の先生との面談のため病院を訪問していました。まさにカテーテルのお話をしていたところ、先生が突然私に「大丈夫ですか?」と声をかけていただきました。そのときの私には自覚がなかったのですが、先生は一瞬の表情と仕草から「異変」に気付いてくださったのです。
すぐに心電図、そして緊急カテーテル検査。冠動脈の狭窄が確認され、PCI (冠動脈ステント留置術)へと。緊張感と「まさか、自分が…」という思いの中、患者として入ったカテーテル室で見たのは、今まで営業として見てきたものとはまったく異なる光景でした。
頭上を巧みに動き回る血管撮影装置。重いX線防護衣を着けながらも繊細にカテーテルを操作し、治療に集中されている先生。そして介助や声かけをしてくださる看護師や技師の方々。不意に、私は感動しました。医療、そして医療従事者の皆さまへの敬意と感謝をこれほど実感した瞬間はありませんでした。
それから4年後の2015年、メディコアを設立いたしました。
一命を取り留めた経験、それが会社設立の動機でした。
今日、優れた医療技術、医療機器、医薬品の総合力で、医療全体がめざましい進歩を遂げております。日々、多くの命が救われていることは、社会を支える力でもあります。
当社で、新しい医療機器や薬を創り出すことは難しいですが、それでも医療従事者の皆さまが日常の業務に専念できる環境やアメニティーを提供することは実現可能な役割であると考えています。
その一歩目が「プロテクリーン」の開発でした。医療従事者の方々の声から試行錯誤を経て、製品化したものです。
私たちメディコアは、これからも医療従事者の皆さまへの敬意と感謝を忘れず、経験と創造力で医療に貢献してまいります。
代表取締役 小野 昭敏